Ethereum完全入門。意義と仕組みを、翻訳とコメントを使って解説します。

イーサリアムとは ブロックチェーン解説

Ethereum(イーサリアム)は2015年に生まれた、ブロックチェーンのアプリケーションプラットフォームです。

 

スマートコントラクトと呼ばれる、改ざん不可能で検証可能なプログラミングコードの組み合わせにより、

  • ブログなどのSNS
  • P2Pレンディング
  • ヘッジファンド
  • ゲーム

など、あらゆるアプリケーションが構築可能です。

 

世の中を大きく変化させる可能性を秘めているのがEthereumですが、なかなか丁寧に概要をつかめる日本語ソースは膨大かつ玉石混合で選定が難しく、英語ソースは少し敷居が高い場合もあります。

 

そこで、「Bitcoinなどのブロックチェーンはある程度聞いたことがあるが、Ethereumについては知らない」という方にとってもその意義や内容が分かっていただけるよう、個人的に最も分かりやすく網羅的な入門記事であると考えている What is Ethereum? A Step-by-Step Beginners Guide (Blockgeeks)の全文の翻訳を許可を得て掲載します。

What is Ethereum? The Most Comprehensive Beginners Guide
What is Ethereum is a decentralized platform for applications that run exactly as programmed without any chance of fraud, censorship or third-party interference...

 

翻訳に加えて注釈も付け加えていきますので、「Ethereumとは?」「なぜアプリケーションにブロックチェーンが必要なのか」「Ethereumで何が可能になるのか」を考える参考にしてみてください。

 

以下からは全て翻訳で、カラーボックスはこちらの補足です。太字・赤字もこちらで加えた強調です。

 

Ethereumとは何か?ステップ・バイ・ステップの初心者ガイド

深く難解な技術を除いて、もし “イーサリアムとは何か”“どんな仕組みか”“何に使えるのか” を知りたいのなら、このガイドはあなたにとって最適です。

 

読む前に: このガイドは、読者がブロックチェーン技術について基本的理解を持っていることを前提にしています。もしブロックチェーンについて馴染みがない場合、こちら step by step introduction for beginners をお読みください。

 

Ethereumとは?ガイド

Bitcoinを超えて & 分散型アプリケーションの第一世代

Bitcoinと一般的な関わりがあるものの、ブロックチェーン技術はデジタル通貨にとどまらない多くのアプリケーションを実現可能です。実際、Bitcoinは今日のブロックチェーン技術を活用した数百のアプリケーションのうちの一つです。

 

“ブロックチェーンはBitcoinにとって、インターネットにとってのemailです。巨大な電子システムの上には、アプリケーションを構築できます。通貨は単にその一つなのです。” Sally Davies, FT Technology Reporter

 

 

比較的最近まで、ブロックチェーンのアプリケーション構築はコーディングや暗号学、数学の複雑なバックグラウンド等の重要なリソースが求められてきました。

 

しかし状況は変化しました。電子投票や電子記録された資産、企業コンプライアンス、トレードに至るまで、以前では想像できなかったアプリケーションが高速で開発され、デプロイされています。

 

分散型アプリケーションを構築するツールを開発者に提供することで、Ethereumはこれらを可能にしているのです。

ビットコインなどの通貨はブロックチェーンの活用事例の一つであり、他の種類のアプリケーション開発を支援できるのがEthereumだということです。

 

Ethereumとは? ビギナーへの説明

最もシンプルに言うならば、Ethereumはブロックチェーン技術を基礎としたオープン・ソフトウェア・プラットフォームです。

開発者はブロックチェーン上に、分散型アプリケーションを構築、デプロイできます。

 

EthereumはBitcoinと同じようなもの?  ある程度はね。でも同じではありません。

 

Bitcoinのように、Ethereumも分散型のパブリック・ブロックチェーン・ネットワークです。2つには顕著な技術的な違いはあるものの、最も重要な点は、BitcoinとEthereumでは、目的能力がおよそ異なっている、ということです。

 

Bitcoinはブロックチェーン技術の、「オンラインでのBitcoin決済を可能にする、Peer to Peer 電子キャッシュシステム」という一つの特定アプリケーションを提供します。

Peer to Peer はよくP2Pと表現され、「対等な2者間での取引」を意味します。通常の2者間決済にはAmazonやVISAなど多様な第三者が介入しますが、それに依存せずに2者間だけで安全性の保証された取引ができることを意味します。

 

Bitcoinブロックチェーンはデジタル通貨(ビットコイン)の所有権を追跡するために活用されている一方、Ethereumブロックチェーンはあらゆるプログラミングコードを走らせることにフォーカスしています

 

Ethereumブロックチェーンでは、ビットコインをマイニングするのではなく、マイナーはEther(イーサー)と呼ばれるネットワークの燃料を得るために働きます。

トレード可能な暗号通貨であるだけでなく、Etherはトランザクションの手数料やEthereumネットワーク上のサービスを受けるための支払いにも利用されます。

 

それはガスと呼ばれ、ブロックにトランザクションを組み込んでもらうためのマイナーへの手数料になり、また全てのスマートコントラクト(後述)の執行にも、マイナーに指示通りにブロックチェーンに加えてもらうための一定量のガスが求められます。

Ether(ETH)は決済にも使える、ビットコインと同じような暗号通貨です。
それと同時に、Ethereumネットワーク上で送金したり、アプリケーションを使うためのスマートコントラクト(後述)を動かす手数料の決済通貨としてEtherは使われます。ネットワークを動かす燃料のような役割を果たすので、「EtherはEthereumの燃料だ」と言われます。手数料(ガス)として支払ったEtherはマイナーに渡ります。
送金などに手数料が必要な部分は、ビットコインと同じです。

 

 

“Bitcoinは最も古く、最も重要な通貨です。 : これはブロックチェーン上の特定のアプリケーションの一つなのです。しかし、唯一のアプリケーションというわけではありません。過去の似た事例で考えると、e-mailはインターネットのうちの特定の使い道であり大衆化を助けましたが、他にもアプリケーションはたくさんあります。” Dr Gavin Wood, Ethereum Co-Founder

 

スマートコントラクトとは何か?

スマートコントラクトは、お金やコンテンツ、資産、株式など価値あるものの交換を促進するコンピューターコードを表現するためのフレーズです。

ブロックチェーン上を動くとき、スマートコントラクトは特定条件を満たしたときに自動執行するコンピュータープログラムのように作用します。

スマートコントラクトはブロックチェーン上で動くため、それらはどんな検閲の可能性も、停止期間も、詐欺行為や第三者の干渉もなくプログラムが動くようになっています。

 

イーサリアムのスマートコントラクト

全てのブロックチェーンにはコードを進める能力がありますが、ほとんどは極端に制限されています。しかしEthereumはそれとは異なります。制限されたオペレーションよりむしろ、Ethereumは開発者に、どんなオペレーションでも望み通りものを作れるようにしています

 

これは、開発者が私たちがこれまで見てきたものをはるかに超える、何千もの異なるアプリケーションを構築できるということです。

 

“ Ethereumブロックチェーンはいくつかの特別な性能を持っています。その一つはスマートコントラクトを構築できること。これはまさしく自動で執行するコントラクト(契約)であり、強制的執行や管理、運用、そして決済までコントロールします。” Don Tapscott

 

 

 

The Ethereum Virtual Machine (EVM)

Ethereumができる前は、ブロックチェーン・アプリケーションは大きく制限されたオペレーションのために構築されていました。

 

例えばBitcoinや他の暗号通貨は peer-to-peer のデジタル通貨としてに限り構築されました。

しかし開発者は問題に直面します。Bitcoinや他のアプリケーションにより提供される機能を拡張することや、新たなブロックチェーンや完全に新しいプラットフォームを作ることは非常に複雑で時間がかかるのです。

この困難な状況を認識し、Ethereumを考案したVitalik Buterinは新たなアプローチを開発しました。

 

 

Vitalik Buterin

“私には、Bitcoinコミュニティの人々が正しい方法で問題にアプローチしていないように思いました。個別のアプリケーションにアプローチしていたのです。; 彼らは各々のユースケースに、スイスアーミーナイフのようなプロトコルでサポートしようとしていました。” 

Vitalik Buterin, inventor of Ethereum

Vitalik氏のいう “スイスアーミーナイフ” の比喩は、「ナイフの性能を拡張しようとするとき、他の意図を持った刃物(ハサミ、カッター等)を個別に加えていくアプローチには限界がある」ということを意味します。そのアプローチを根本的に変え、基本構造から多様な用途を想定したのがEthereumブロックチェーンです。

 

Ethereumのイノベーションの核心である the Ethereum Virtual Mahine(EVM) はEthereumネットワークで作動するチューリング完全のソフトウェアです。これにより誰でもどんなプログラムも、プログラミング言語に関わらず実行可能になります。

 

The Ethereum Virtual Machine により、ブロックチェーンアプリケーションははるかに簡単で効果的に構築できるようになりました。新たなアプリケーションのために、オリジナルのブロックチェーンを構築する必要もありませんし、Ethereumは数千もの異なるアプリケーションを一つのプラットフォームで開発できるようにしたということです。

確かにEthereum上ならどんな種類のアプリケーションも構築できますし、その点のみで考えればBitcoinより遥かに優れています。しかしEthereumはその分バグが生まれやすくなったり、アプリケーションの種類によっては中央集権化しやすくなる、などのBitcoinにはないデメリットもあります。
The Truth about Smart Contracts – Jimmy Song – Medium
Much like the words “blockchain”, “AI” and “cloud”, “smart contract” is one of those phrases that get a lot of hype.

 

Ethereumは何に使えるのか?

Ethereumは、開発者が分散型アプリケーションを構築しデプロイできるようにします。分散型アプリケーション(Dapp)はユーザーに対し、いくつかの特定サービスを提供します。

 

コントロールする主体がおらず、スマートコントラクトの記述を絶対のルールとして動くアプリケーションを分散型アプリケーション(Decentralzed application, DApp)といいます。

 

例えばBitcoinは、オンラインでBitcoin決済ができる peer to peer の電子キャッシュシステムを提供するDappと言えます。なぜなら分散型アプリケーションはブロックチェーンネットワークを動くコードで作られており、それらはいかなる個人や集権的主体にもコントロールされないものだからです。

 

ブロックチェーンの長所

どんな集権的なサービスも、Ethereumを使うことで分散的なサービスにできます。数百もの産業の、全ての仲介サービスを考えてみてください。銀行によるローンの提供など分かりやすいものから、分かりにくい登記や投票システム、企業コンプライアンスに至るまで、分散的サービスにすることが可能です。

 

Ethereumは、自律分散型組織(Decentralized Autonomous Organizations, DAO)の構築にも活用できます。DAOは完全に自律的な、リーダーのいない分散型組織です。DAOは、Ethereumブロックチェーン上に書かれたスマートコントラクト上のプログラミングコードにより運営されます。

 

このコードは、伝統的な組織のルールや構造に取って代わるようデザインされており、運営のための人や集権的コントロールの必要性を消去しています。

DAOはトークンを購入した全ての人によって所有されますが、それぞれのトークンを株式シェアや所有権としてみなすのではなく、投票権が与えられる寄付のような形で動きます。

 

 

“DAOは一つや複数のコントラクトから構成され、同じ考えを持つ個人の集団により設立されます。 DAOは完全に透明性を持って運営され、創設者を含むいかなる人間の介入からも独立しています。DAOは運営資金がある限りネットワークに存在しますし、顧客に便利なサービスを提供します。 ” Stephen Tual, Slock.it Founder, former CCO Ethereum.

多額の金銭が関わったり、多くの人にとって不可欠なアプリケーションは公共性が強いため、ガバナンスも一極集中でなく分散的にするべきである、という考え方があります。一つの組織の都合で改ざん/検閲される心配なくセキュアに運営できますし、それがDAOの理念です。

 

Ethereumは、他の暗号通貨をローンチするためのプラットフォームとしても活用されています。ERC20トークンの規格がEthereum財団により定義され、他の開発者はこのトークンの自身のバージョンを発行し、Initial Coin Offering(ICO) によって資金調達することができます。

 

この資金調達戦略では、トークン発行者は調達したい量のトークンをセットし、クラウドセールで販売、代わりにEtherを受け取ります。過去2年間で、Ethereumプラットフォームでは数十億ドルがICOで調達されましたし、最も価値ある通貨の一つでもあるEOSもERC20トークンです。

現在、EOSはERC20ではありません。独自チェーンへ既に移行しました。

 

Ethereumは最近、個性あるデジタル資産を見分けるための、ERC721トークンと呼ばれる新たな規格を作りました。このようなトークンで現在で最も大きなユースケースの一つは、希少なデジタルグッズの所有権を証明してくれる、デジタルコレクションです。

イーサリアムネットワーク上に存在するERC20トークン(ZRX, KNC, OMGなど多数存在)は、BitcoinやEther、通常のお金と同じく代替可能なトークン(Fungible Token)です。Aさんの1BTCもBさんの1BTCも全く同じです。

しかし、デジタルグッズや不動産など個性あるものもブロックチェーン上の資産として表現するため、代替不可能なトークン(Non Fungible Token, NFT)も作る必要がありました。それがERC721トークンです。

 

繁殖するデジタル猫の集めることで長きにわたるヒットを作ったCryptoKittiesなど、現在多くのゲームは、この技術を使って作られています。

 

Ethereumの分散型プラットフォームの利点は何か?

分散型アプリケーションはブロックチェーン上で動いているため、以下の利点を活用することができます。

 

  • 不変性(immutability) – 第三者はデータを変化させることはできません。
  • 不正と改ざん防止 – アプリはコンセンサスの原理に従って作られているため、検閲を不可能にできます。
  • セキュア – 故障の原因となる中心点がなく、暗号を使うことでセキュアです。アプリケーションはハッキングと不正行為から強く保護されています。
  • ゼロダウンタイム – アプリは決して落ちませんし、スイッチオフにもなりません。

 

分散型アプリケーションの欠点は何か?

分散型アプリケーションは多数の利点をもたらしますが、完璧ではありません。なぜならスマートコントラクトコードは人間によって書かれるのであり、スマートコントラクトはそれを書いた人々の能力に依存するからです。

 

コードのバグや見落としが、予測できない不都合な動きを誘発します。もしコード内のミスにつけこまれてしまえば、もはや攻撃をストップさせる効果的な方法がなく、ネットワークの過半数合意を獲得するかコードを書き直さない限りは為す術がありません。

もちろんそのような方法は、ブロックチェーンの本質である不変性と対立します。また集権的組織のいかなるアクションも、アプリケーションの分散的原理に深刻な疑問をもたらします。

Ethereumのアプリケーション

 

アプリケーションを作りたい。どのようにEthereumにアクセスすればよいのか?

Ethereumネットワークと接続する方法はたくさんあります。最も簡単な方法の一つは、ネイティブのMistブラウザを使うことです。Mistはユーザーフレンドリーなインターフェイスと、ユーザーがEtherをトレードしたり保管するためのデジタルウォレットを提供していますし、スマートコントラクトを書いたり、管理したり、デプロイすることもできます。

ウェブブラウザがユーザーにインターネットへのアクセスや誘導を行ってくれるのと同じく、Mistは分散型ブロックチェーン・アプリケーションへの入り口を提供してくれます。

 

ブラウザエクステンションには、Google ChromeをEthereumブラウザに変身させてしまうMetaMaskもあります。MetaMaskは誰でも簡単に、そのブラウザから分散型アプリケーションを動かしたり開発したりできるようにします。Chromeのプラグインとして構築されているものの、MetaMaskはFirefoxとBraveブラウザもサポートしています。

 

MetamaskはデスクトップでEthereum上のERC20トークンのトレードや、ゲーム等のアプリケーションを活用するために非常に便利です。EtherやERC20などの暗号通貨を保有しようとする方はインストールをお勧めします。
イーサリアムの便利ウォレットMetamask(メタマスク)の使い方について
イーサリアムで人気がでてきたウォレット「Metamask(メタマスク)」の導入方法と使い方を解説しています。

 

それはまだ黎明期ですが、Mist、MetaMaskなどのブラウザにより、これまで以上に多くの人々がブロックチェーン・アプリケーションにアクセスできるようになっています。今では技術的に詳しくない人々でさえ、ブロックチェーン・アプリケーションを開発できる環境があります。

 

これは、分散型アプリケーションを一般社会に持ち込もうとするブロックチェーンテクノロジーにとっては、革命的な飛躍であると言えます。

 

ブロックチェーン / Ethereum講座: ギャップを埋めること

雇用市場は、急激に発生したブロックチェーン開発者の需要に応えるために悪戦苦闘しています。いくつかの大学や企業はそれに応えるため、広範なブロックチェーン関連講座を提供し、業界のニーズを満たそうとしています。

 

Bitcoinの先駆者である Jered Kenna によれば、ブロックチェーン専門家の年間収入は20万ドルを超えることもあります。

 

Kennaは “広範囲のブロックチェーン経験ある人々は相当に希少です。” と言います。 “そして需要は急激に増加しており、彼らは一日に5つのジョブオファーを受けることもあるのです。

 

Ethereumの燃料Ether

現在では、Ethereum上にどんなアプリケーションが開発されているのか

Ethereumプラットフォームは、広範囲のサービスや産業にわたるアプリケーションの構築に活用されています。しかし開発者は未知の領域におり、どのアプリケーションが成功し、どのアプリケーションが失敗するのか知ることは困難です。

以下に、いくつかの素晴らしいプロジェクトを紹介します。

 

Weifund はクラウドファンディングのためのオープンなプラットフォームを、スマートコントラクトを活用して提供しています。これにより寄付の見返りに、Ethereum上で使用したり売買できる契約上裏付けられたデジタル資産を得ることができます。

 

uPort は、ユーザーのIDや個人情報の完全なコントロールを、よりセキュアかつ便利にできる方法を提供しています。政府組織に頼ったり、ID情報を第三者に任せたりする代わりに、ユーザーは誰がデータや個人情報にアクセスして使えるのかをコントロールすることができます。

uPortは個人情報の簡単で完全な自己コントロールを目指したEthereum上のプロジェクトです。Ethereumという共通プラットフォーム内でのID管理を最大限のセキュリティを保った上で簡単にコントロールできることを目指します。
【イーサリアム】安全かつ超簡単な身分証明を目指す「uPort」の仕組み
ブロックチェーンと身分証明の相性は良く、それに関連したさまざまなプロジェクトが進行しています。現状、あらゆるサ…

 

BlockApps は、企業がブロックチェーンアプリケーションを構築、管理、デプロイできる最も簡単な方法を提供しようとしています。概念実証からフル生産システムや伝統的システムとの統合まで、Blockappsはプライベートやセミプライベート、パブリックで業界限定のブロックチェーンアプリケーションの構築に必要なツールを提供します。

 

Provenance はEthereumを活用し、不透明なサプライチェーンをより透明にしようとしています。スタートから生産記録を追跡することで、オープンでアクセスしやすい情報のフレームワークを構築することを目指しています。消費者は商品を購入する際、情報を得た上で決めることができます。

 

Augur は、誰でも何かを予測し、正確に予測できた場合は報酬を受け取れるオープンソースの予測/予報市場のプラットフォームです。次のUS選挙で誰が勝つか、などの現実世界の将来予測は、バーチャルな株式をトレードすることで実行されます。もしある人が正解する予測の株式を買えば、金銭的な報酬を受けることができます。

 

その他の現在のEthereum上の開発プロジェクトは、こちらで確認できます。

 

 

“Ethereum は、パブリックブロックチェーン上でのスマートコントラクトの価値を示す、壮大で公的な実験です。これは、インターネット初期から見たことのないような破壊的イノベーションの源泉であり、結果でもあります。” – Caleb Chen London Trust Media

 

 

全てを脅かしたThe DAOハック

Ethereumが、どのようにして自律分散型組織(Decentralized Autonomous Organizations)の構築のために活用できるかを覚えていますか?

2016年、ある事件が起こりました。あるDAOプロジェクトに取り組み、ぴったりの“The DAO”と名付けられたスタートアップがハッキング被害を受けたのです。

 

The DAOはSlock.itと呼ばれるスタートアップのチームにより開発/プログラムされたプロジェクトでした。彼らの狙いは、スマートコントラクトを通して投資家が意思決定のできる、人のいないベンチャーキャピタルを構築することでした。

The DAOはトークンセールにより、数千人から約1億5000万ドルを調達しました。

 

資金調達から少し経った後、The DAOは匿名の攻撃者からのハッキングにより、当時のレートで約5000万ドルの盗難にあいました。The DAOソフトウェアの技術的な欠陥を攻撃されたのであり、Ethereumプラットフォーム自体の欠陥ではありませんでしたが、Ethereumの開発者や創設者は混乱を処理することを迫られました。

 

Ethereumのフォークの途中

多くの議論の後、Ethereumコミュニティは投票を行い、ハードフォークと呼ばれる手段により盗難された資産を取り戻すことを決定しました。このハードフォークは盗まれた資産を、もとの所有者が出金できるような新たなスマートコントラクトへ移しましたのです。

しかしこれこそ、物事を複雑にしているポイントです。

 

この決定は議論を呼び、強い論争の元となりました。

 

なぜならEthereumはブロックチェーン・テクノロジーをベースにしており、全てのトランザクション(取引)は元に戻せず、変更できないことを意図されているからです。ハードフォークを実行し、ブロックチェーンが実行するルールを書き換えることで、Ethereumはブロックチェーンの本質と逆行する危険な前例を作ることになってしまいます

 

もしブロックチェーンが、多額の資産が関わったり、多くの人々に不利益をもたらすたびに変更されるのであれば、ブロックチェーンは “セキュア” “匿名” “改ざん耐性” “変更不可能性” などの主要な価値を失ってしまうでしょう。

 

他の、より柔らかなソフトフォークも提案されましたが、Ethereumコミュニティと創設者たちは危険な立場に置かれていました。もし彼らが盗難された投資家の資産を取り戻さなければ、Ethereumに対する信頼は失われるでしょう。

一方、投資家の資産を回復させるためには、分散化という核となる本質と逆行し、危険な前例を作る必要があります。

 

事件後 – Ethereumの分裂

最終的に、Ethereumコミュニティの多数派はハードフォークを行うことに投票し、The DAOの投資家の資産を取り戻しました。しかしこのアクションに全員が賛成したわけではありません。

 

その結果、現在に存在する2つの並行したブロックチェーンに分裂したのです。

 

ハッキングが起こったとしてもブロックチェーンに変化を加えることに強く反対したメンバーは Ethereum classic としてチェーンを維持しました。

 

ブロックチェーンの小さな部分を書き換え、盗難された資産を所有者に取り戻すことに同意した多数派には、Ethereumがそのまま残っています。

現在、”Ethereum(イーサリアム)”といえば通常は資産を取り戻した多数派が維持しているブロックチェーンを示します。ガスやマイナーへの手数料となる通貨はEther(ETH)です。

一方、ルール変更に反対した方は別のEthereum Classicのブロックチェーンを維持し、ガスはETCで表されます。

 

双方のブロックチェーンは同じ機能を持ち、ハードフォークが実装される特定のブロックまではあらゆる点で同一です。これは、ハードフォークが起こるまでのEthereum上で起こった全ては、Ethereum Classicブロックチェーンでも正当なものとみなされているということです。

ハードフォーク以降で実行されたブロックからは、2つのブロックチェーンは独立して動いています。

想像を超えた可能性を持つ、Ethereumの将来

The DAOのハッキングからの分裂にも関わらず、Ethereumは前進し、輝かしい未来へ向かっています。人々をブロックチェーンの力へ導くユーザーフレンドリーなプラットフォームを提供することにより、Ethereumは世界経済の分散化を早めています。

 

分散型アプリケーションには、金融や不動産、教育、保険、ヘルスケアや多くの公的分野に至るまでの、数百の業界を創造的に破壊してしまうポテンシャルが詰まっています。

 

 

“もしインターネットがあなたの人生に影響を与えたと思うのなら、Ethereumは私たちの情報インフラ上でのコミュニケーションに同じような普遍的影響を与えるはずです。私たちの存在の全ての観点からインパクトを与えるでしょう。

 

パブリックなEthereumエコシステムを構築すること:
パブリックなEthereumでは、この2年間でスケーラビリティとプライバシー/秘匿設定 が成長を遂げており、消費者は自身のブロックチェーンアイデンティティとアクセスポイント (uPort) を活用し、興味深い様々なアーリーステージの製品に触れることができます。

 

その中には、Weifundのようなクラウドファンディング・プラットフォームやBoardroomのようなグループ・ガバナンスツール、音楽/映画/アートコンテンツ登録と活用プラットフォームのujo、予測市場のGnosis、ゲームアプリのVirtue Pokerなどがあります。”

Joseph Lubin, CEO of Consensys

 

大企業の多くも、プライベートブロックチェーンを活用してビジネスプロセスを運営する

  • プライベートブロックチェーン:

2年間のうちに、大企業はいくつかのビジネスプロセスを自身のプライベートで許可制の企業ブロックチェーンを導入するでしょう。各企業の従業員、顧客、ベンダーやサービスプロバイダは強固な暗号により証明された取引を通した企業プライベートブロックチェーンへのセキュアなアクセスが可能になります。

 

  • コンソーシアムブロックチェーン:

2年後には、多くの企業は信頼できる真実を記したインフラ、サプライチェーンやバリューチェーンを共有するため、少数の取引相手と、コンソーシアム型ブロックチェーンを構築し始めることでしょう。

 

BitcoinやEthereumは本来、「誰でもネットワークに参加可能で、それ故に非中央集権性が保たれる」パブリックシステムですが、参加に許可が必要なプライベート環境で立ち上げることも可能です。

非中央集権性を捨て、利便性を取る場合にプライベート(コンソーシアム)環境が選ばれることが多くなります。

以下の記事でパブリックとプライベート、コンソーシアムの違いを把握し、自分の意見を考えてみてください。
http://doublehash.me/blockchain-difinition/

 

  • パブリックブロックチェーンのユースケース:

いくつかの企業は、彼らのユースケースのために、プライベートEthereumの実装のために構築したものと同じ構造のパブリックブロックチェーンを採用するでしょう。

 

Ethereumプラットフォームはまた、私たちがインターネットを使う方法もシフトさせてゆきます。分散型アプリケーションは、情報を交換しコミュニケーションを取る情報のインターネットから、人々が仲介者なしに、即座に価値を交換する価値のインターネットに完全に変化させようとしています。

ブロックチェーンはBitcoinに代表されるように、第三者を必要とせずに情報以外の価値をやり取りする技術であると考えられます。

個人的には、ブロックチェーンというセキュアで第三者に干渉されないことを保証するプラットフォーム上で、定性的なものを含めた価値を自由にやりとりできる環境は、集団や個人の生き方をより豊かにすると考えています。

Ethereumはその構造により大きな可能性を与えてくれるブロックチェーンです。

 

業界がブロックチェーンプラットフォームの研究を続けるほど、Ethereumが事実上のリーダーになることは明らかです。例えば、数日前にJPMorganは、Jeff Wilckeのチームにより考案され、Go Ethereum周りで開発されたQuorumプラットフォームを公にオープンソースにしました。

他のいくつかの大銀行もEthereumを活用しており、MicrosoftはBletchleyプラットフォームを基盤となるブロックチェーン要素として主軸に据えています。パブリックであれプライベートであれ、産業界はEthereumに注力し続け、私たちと働き、有望で生まれて間もないコードベースの成熟に協力してくれています。こちらからのニュースを待っていてください。

ブロックチェーンを盛り上げるには、グローバルで小さなコミュニティが必要です。このネットワークとオープンソース開発者のコミュニティは顕著にこの動きに貢献してくれています。彼らはEthereumプラットフォームを絶え間なく洗練し、強化しているため、これらの長所が業界ニーズに素早く対応できるようになっています。

これらへのリソースの投資は、ビジネス側と開発者側で見ているEthereumの価値とガバナンスへの信頼の何よりの証明です。

  – Joseph Lubin, CEO of Consensys

 

まだ黎明期であり、乗り越えるべきハードルの存在に疑いはありませんが、Ethereumは真に可能性のあるプラットフォームであるように思えます。多くの素晴らしいアプリケーションはまだ開発が終わっていませんが、私たちは来るべき想像を超えた可能性に胸を膨らませることはできるはずです。

 

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