Web3.0/DAppsプラットフォーム, Trustで利用されるTSTトークンモデルの詳細

Trust Platform 分散型アプリケーション(DApps)
以下で解説している、Trust PlatformのTSTトークンについてですが、結局Trustのトークンセールは中止になりました。

従ってこの記事に書いた構想はストップされています。

今後はBitcoinやLitecoin, EOS, NEOなど他チェーンを持ち込むことに開発が集中されます。

 

Trustは、Ethereum上の暗号通貨ウォレットでありDAppsブラウザである”Trust Wallet”を提供するウォレットプロバイダーです。

 

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しかし彼らはウォレット&DAppsブラウザに留まらず、『Web3.0時代のDAppsプラットフォーム』として業界をリードしていく存在になり、ブロックチェーンのエコシステムを実社会に広めようというビジョンを持っています。

 

Trust Platform — Paving a Path to Mass Adoption of Blockchain

 

Trustはその構想を実現するため、Trust Walletとは別プロジェクトとして“Trust Platform”を打ち出し、積極的に情報発信と開発を進めています。

 

今回はTrust Platformの簡単な説明と共に、そこで基軸通貨として扱われる“TSTトークン”の用途を詳細に記したいと思います。

 

Web3.0のAppStore, Trust Platform構想の概要

Trust Platform

Trust Platformを一言で表すとすれば、「DApp開発者とユーザー双方にインセンティブを与える、モバイルDAppsプラットフォームであると記述できます。

 

そのプラットフォーム上でユーザーは、

 

  • リストされたDAppを楽しむ
  • DAppをレビューする
  • 素晴らしい開発者を評価する
  • マーケットプレイスでデジタルグッズを売買する

 

ことが可能で、一方のDApp開発者としては「プラットフォームを活用し、多くのユーザーにプロダクトを届けて信頼を蓄積する」ことができます。

 

いわばWeb3.0時代のAppStoreであるとイメージすると理解が深まるかもしれません。

 

TSTトークンの用途

TSTトークンの用途

TSTトークンは、そのTrust Platformでの独占的な決済通貨として機能します。

 

White paperに挙げられている用途は以下の5つです。

 

  1. プラットフォームへのDApp上場のためのデポジットトークン
  2. プロモーション用の決済通貨
  3. DAppのレビュー権
  4. 開発者へのレビュー権
  5. マーケットプレイスの決済通貨

 

上記のTSTトークンの使い道を、一つずつ詳しく見ていきましょう。

 

プラットフォームへのDApp上場申請のためのデポジット

TST Listing zopportunities

開発者は、開発したDAppをTrust Platform上にリストすることを申請することができます。これは、開発者がiPhoneアプリの取扱いをAppStoreに申請するのと同様です。

 

Trust Platformの場合、豊富なユーザーを持つプラットフォームへのDApp上場(リスト)申請にはTSTトークンのデポジットが求められます。

 

申請されれば、実際にそのDAppを上場させるかどうかをユーザー投票により決定します。

Trust 上場投票

後述しますが、Trust PlatformではDAppや開発者, ユーザーの質を担保するため充実したレビュー機能を導入しており、信頼あるユーザー群がDAppの判別を適切に行う見込みがあるからです。

 

ユーザーに上場が認められれば、デポジットしたTSTトークンは上場期間中にロックされるのみであり、上場を取り下げればいつでも返金されます。

 

しかし逆に、ユーザーに「このDAppはプラットフォームで取り扱われるべきではない」と判断された場合は、デポジットしたTSTトークンが没収されてしまうことに注意が必要です。

このプロセスにおいて、Scammerや悪意のあるDAppの取扱を未然に防ぐ目的です。

 

没収されたTSTトークンは、一部は利益分配のコントラクト(後述)に従いステークホルダーに分配、一部は精査プロセスに参加したユーザーへ還元されます。

 

Web3.0のプラットフォームであることを考えれば、上場申請の可否をTrust自身が決定することは筋の悪い方法ですし、それをスコアリングされたユーザーに委ねる点では”Web3.0のAppStore”としては自然な発想だと思います。

 

まだ憶測でしかありませんが、おそらくほとんどの申請は許可され、悪意あるDAppを事前に発見したユーザーに報酬を与えることの意図の方が大きいと思われます。

 

プロモーション用の決済通貨

Trust promotion

AppStoreと同じく、開発者は自身のDAppをプラットフォーム内でプロモーションを行うことができます。TSTトークンを支払うことで、マーケットプレイスの中で視認性を高めて多くのユーザーにアピールすることができます。

Trust プロモーション

この用途での重要なポイントは、「Trust Platformが認められユーザーを惹き付ければ惹きつけるほど、TSTトークンの需要が高まるという理屈が確立されるところです。

 

AppStoreを見ても明らかですが、大量のアプリケーションが溢れる中でユーザーの目を留めるためにはプロモーションが不可欠です。

 

例えばAppStoreの Search Ads の発表によると、ストア内のアプリ検索のトップに広告を自然に織り込むことにより、約50%のコンバージョン率を実現しています。

Trust Promotion

開発者としてはプラットフォーム内広告の高いコンバージョン率は非常に魅力的ですし、Trustに多くのユーザーが集えば必然的に広告収益は高まってくるはずです。

 

Trust Platformでは広告料の全てがTSTトークンにより決済されるため、プラットフォームとしての存在感が高まるほど、TSTの需要は高まります

 

プラットフォームはその性質上、広告収入こそが成功の可否を握ると言っても過言ではないため、TST保有者としても「いかにユーザーを惹きつけ魅力あるプラットフォームを創り、広告収入を高めるか」に注目してかなければなりません。

 

それこそ、プラットフォームとTSTトークン双方の価値を高める重要なファクターです。

 

集まったTSTトークンは、全て利益分配のコントラクト(後述)に従いステークホルダーに分配されます。

 

DAppのレビュー権

DAppのレビュー権

プラットフォーム上のDAppの質を担保するため、「DAppのレビュー権としてのTST」という面白い使い道があります。

 

ユーザーは保有のTSTトークンを消費することで、DAppのレーティングのためのレビューを残すことができるのです。

Trust レーティング

The review mechanism will allow the community to monitor the quality of the DApps in the marketplace and ensure only the best DApps survive.

レビューメカニズムは、コミュニティがマーケット内のDAppsの質を監視することを可能にし、素晴らしいDAppsのみが生き残ることを確保します。

Trust Platform white paper

 

ユーザーがレビューのために消費したTSTトークンは、全て利益分配のコントラクト(後述)に従いステークホルダーに分配されます。

 

「TSTを消費してまで、ユーザーは積極的にレビューするのか」という懸念はありますが、おそらく少額であること、またTrustが育つほどアクティブユーザーへの利益分配が高まることから、レビューへのインセンティブは確保されていると考えることが可能です。

 

開発者へのレビュー権

Trust Vouching System

ユーザーはTSTトークンを消費することで、「質が高い」と認める開発者をエコシステム全体へ知らせることができます。

開発者は、ユーザーからの認証によって認められ、プラットフォーム内の信頼を蓄積することができます。

 

Trust Platformは、プラットフォーム内のDAppやマーケットプレイスで横断的に利用できる “Trust ID” を導入します。ユーザーだけでなく開発者にもTrust IDが付与されるので、そのIDを大切に育てる必要があります。

 

逆に、悪意ある開発者やユーザーを発見した際もTSTトークンを使用して報告することが可能で、Trust IDに報告された内容はタイムスタンプと共にブロックチェーンに刻み込まれます。

 

The system will be designed to filter the trustworthy developers, improve the quality of the DApps in the Marketplace, and eliminate bad actors from the Trust Ecosystem.

このシステムは、信頼に足る開発者をフィルタリングすることでマーケットプレイスのDAppsの質を高めるほか、Trustエコシステム内から悪意あるアクターを排除することができます。

 

レビューのために消費したTSTトークンは、全て利益分配のコントラクト(後述)に従いステークホルダーに分配されます。

 

マーケットプレイスの決済通貨

Trust market place

Ethereumネットワーク上には “CryptoKitties” に代表される、キャラクターなどそれ自体で個性を持ったゲームアイテムが流通しています。

CryptoKitties

TrustはこれらのアイテムをDAppの垣根を越えて売買できるマーケットプレイス、 OpenSea 等とのパートナーシップを拡大し、クロスチェーン間での売買もプラットフォーム上で促進する予定です。

 

あらゆるマーケットでのデジタルグッズの価格を標準化するため、マーケットプレイスでの全ての価格は TST にて表示/決済され、ユーザーはTSTを支払うことで自身のグッズに広告を出すことも可能です。

Trust market place

当然、デジタルグッズの取引は全てスマートコントラクトで行われます。

 

デジタルグッズ売買には少額の手数料(TST)が含まれており、Trustはプラットフォーム上にユーザーを呼び込み、活発に売買させることで収益を高める狙いです。

 

集まったTSTトークンは、全て利益分配のコントラクト(後述)に従いステークホルダーに分配されます。

 

参加者にインセンティブを与える、TSTの収益分配コントラクト

上記全ての手段でTrust Platformに集まったTSTトークンは、以下の図に従ってステークホルダーに分配されます。

TSTトークンの分配

  • Trust チーム…40%
  • コミュニティ(ユーザー)…30%
  • DApp助成金…20%
  • マーケティング…10%

 

Trustチーム…40%

Trustチームは、TSTの収益からの40%のみを利益とし、多少は少ない気もしますが、T彼らはトークンセールにより潤沢な資金を保有できることと、KyberSwapなど提携DEXからも収益の道を持っています。

 

Trust自体がTSTにて収益を得ることから、TSTの価値を高めるトークンモデルを工夫することがインセンティブとなるため、TSTの保有を考える立場からすれば安心感があります。

 

コミュニティ(ユーザー)…30%

ユーザーは自らのTSTを消費し、DAppの新たな上場を精査したり、DAppや開発者レビューによりエコシステム全体に有益な情報を残すことができることは前述のとおりです。

 

彼らの働きがプラットフォームの質に直結するため、集まったTSTの30%をアクティブユーザーへの報酬とします。詳細は明らかではありませんが、一旦プールしておき後に分配するようです。

 

DApp助成金…20%

DAppをiOSやAndroidのモバイルプラットフォームへ持ち込むことは開発者に多大な努力を要求するため、収益の20%を開発者への助成金プールに割り当てます。

 

マーケティング…10%

10%はユーザーの増加を促すため、マーケティングに使用します。

 

Trust Platformのねらい

White paperから読み取れるTrust Platformの方針は、「ユーザーと開発者から成るコミュニティが、自身の手によりプラットフォームの価値を高めていく」ことです。

 

Trustチーム、ユーザー、開発者がより積極的にDAppをメインストリームに取り込めれば、TSTトークンの価値も高まり分配も増え、Trust Platformが繁栄することになります。

 

より多くのユーザーを惹きつけるためのUI/UXはTrustが抜きん出て得意とする分野なので、今後の開発に期待する方はTSTトークンの保有も考慮にいれてみてください。

 

 

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